「好き……」
彼に聞こえるか聞こえない位小さく囁いた声。
彼の耳に聞こえたか分からない、けれど口の形で分かったのかまた唇を捕らえられキスをされた。
「俺も、好きだ」
はっきり耳元に入ってきた言葉。
初めて先生の口からちゃんと聞けた、嬉しくて思わず泣きながら笑う。
胸がきゅんと高鳴ったのと同時に、中の彼のものが一際存在感を増した。
思いがけず、締め付けてしまったようだ。
それからも眉間に皺を寄せながら、溢れる気持ちを言葉にする。
何度も、荒い吐息の狭間で好きと囁いた。
好き、好き、好き。
大好き、と。
こんな時位にしか言えない。
普段じゃ絶対に言えない言葉。
彼は呆れたように笑うと、私をベッドに押し倒した。
「分かったから、もう黙れ」
「やだ」
一瞬でも体を離したくなくて、すぐに彼の体を抱き寄せキスをせがむ。
「たく、これ以上俺を煽ってどうしたいの?」
「いいですよ、好きにして下さい」
そう言うとまた距離をとられ、上のシャツを脱ぎ捨て裸になった彼。
「煽ったのはお前だからな、後悔すんなよ」
そう言った彼の目は今まで見たことがない位本能的で、思わず息を飲んだ。