「後ろからじゃ先生だって分かんなくなる、先生にしか触られたくないのに……っ」
「なんで……?」
「だから、先生のことが好きだから」
そう言うと私の背中に先生の両腕が回され、ゆっくり背中を摩りながら慰めるように抱きしめてくれた。
……あぁ、やっぱり先生の腕の中が一番安心する。
こうやって先生に泣かされようと、それは変わらない。
やがてベッドの上で一糸纏わぬ姿に剥かれ、ぎらついた欲望を垣間見せる彼のもとに晒された。
初めて彼に見せる裸。
だけど、激しく私を求める彼に恥ずかしさなんて感じる余裕さえなかった。まるで全身を侵されていくようだった。
私は、ひたすら受け身でついていくので精一杯で。
寒さからか緊張からか、息が、声が、手が震える。
はぁ、はぁ……っ。
互いに荒い息。
静寂な部屋の中にそんな2人の吐息だけが際立つ。
そしてそんな吐息が白く見えそうな位寒い部屋で、互いの温もりを貪るように抱き合った。
更にぐっと奥まで入ってきた彼の熱いものに、思わず声を漏らした。
わけもなくふと不安になって、彼の温もりを求めるかのように、震える手でやんわり彼の手を握る。
すると、ぎゅっと力強く手を握り返された。
正常位では彼と距離があって、私は何度も彼に抱きしめてもらうよう手を伸ばし、何度もキスをせがんだ。
そんな私に彼は困ったように笑うと、そのまま抱き起こされた。
やっと近くなった距離。
これならずっと彼の体にひっついていられる。
向かい合って彼のものの上に座り、抱き合いながら何度もキスをする。
その間何度も彼の顔を確認した。
キスする間も目を閉じることなく、そんな私に気付いた彼も目を開けたまま私に応えてくれた。