意味、分かんない、そう言おうとしたら、腕を取られてしまった。


「ずっと、未結が、こういう時どんな顔するのか見たかった」

「で、も……っ」

「……あいつは見たんだろ?」


垣間見えたそうちゃんの嫉妬。

婚約者と別れてから、そんな直接的なこと言ったことなかったのに。



「そうちゃ……?」

びっくりしてそうちゃんの顔を伺うようにちら見する。

その瞬間、両手を取られ顔の横で抑え込まれてしまった。


「だ、だめだってば……っ」


自分のあられもない顔を直視するそうちゃんに、たまらず目をそらす。

恥ずかしさから、頭に血が上るようにかぁっと熱くなった。

そして、羞恥心から更に感度を増した体は、いとも簡単に高みへ昇らされようとしている。

顔を横にそらしながら、ぎゅっと目を瞑って下唇を噛む。
そんな自分を直視しているであろう目の前の人物を、ちらっと盗み見た。

やっぱり、そうちゃんは私の顔を見つめていて、一瞬目が合う。


「いや、だ、見ちゃだめ……っ」


恥ずかしさのあまり、涙が溢れ、すぐさままた顔をそらす。

そのまま見つめられながら、再び達した。


その後も、そうちゃんの嫉妬全開で責められた。


なんで?
最初の甘々な雰囲気はどこにいったの?

顔をくっつけるだけでお互いドキドキしておかしそうに笑い合ったのに。


……なんてしらばっくれたいところだけど。

分かってます、分かってますとも。

雰囲気をぶち壊し、そうちゃんを怒らせた、そもそもの発端は全て私にあることは……っ。

それでも甘々な雰囲気で仲良くいちゃいちゃすることを望んでいた私は、自分に原因があることを棚に上げそうちゃんを罵った。