だけど、間を置いて私から出てきたのは愛の告白とは程遠い暴言。
「嘘つき……っ。いつでもおいでって言ってたのに、助けたいからって言ってたのに……っ」
下を向きながら彼の胸元をとんっと叩く。
「なんで、一緒にいてよ、今更離れるなんて無理……っ」
そう言うと、彼の胸元に置いた私の手を引き寄せられ、そのまま彼に抱きしめられる。
……なんて可愛くないんだろう。
この期に及んで上手に甘えることができないなんて。
本当に先生はこんな女でいいんだろうか。
それでもやっと出てきた本音、これが私の精一杯の甘え方だった。
先生は、そんな私の頭を撫でながらありのまま受け止めてくれる。
ちらっと彼を見上げると、その顔には穏やかな微笑みをたたえていた。