とりあえず、こんな気まずそうにしてたらかえってそうちゃんを傷つけるだけなのでは……っ

だめだ、そんなの……っ
すぐにでもこの態度を改めないと!

そうだ何事もなかったかのように、家事をこなしてみせるわ。


「……そうちゃん、お掃除用具どこ?」

「あぁ、こっち」

「そうちゃんは寝ててくれてもいいし、どっか出てきてくれてもいいし。どうぞ私の存在はないものと思って貴重な休日を満喫してっ」

いきなりやる気になった私に少し驚いたかのようなそうちゃんだったが、腕をまくって張り切る私に優しく微笑んだ。


「じゃ、寝させてもらおうかな」

「寝る?じゃ、ちょっと待って。寝室入るよ?」

「え?、あぁ」

許可を取って、寝室にずかずかと入っていくと布団のカバーや敷布団のシーツを引っぺがし始めた。


「いいって、そこまでしなくて」

「替えのカバーとシーツある?」

「あ、あぁ。そこに」

そしてクローゼットの中から持ってきてもらった新しいシーツとカバーに替えていく。

「はい、どうぞっ。おやすみなさい」

「ど、どうも」

そう言って最後に布団を広げ整えたると、そうちゃんに床につくように促す。
私の意外な手際の良さに面を食らっていたかのようなそうちゃんだったが、私に促されるまま素直に布団に入ってくれた。


さて、と……。

掃除機もあったけど、寝ているそうちゃんのすぐ隣の部屋でなんて使えない。

だから、濡れ雑巾を絞って玄関口から廊下にかけて床を拭いていった。

次はリビングとキッチン。

音を立てないように静かにテーブルとソファ、ラグをどかして隅々まで拭いた。