確かに、あの時“自分とは相ケ瀬くんはつり合わない”とか、“他の人とは付き合って欲しくない”って思ってた。
あんな勢い任せて告白するつもりはなかったから、玉砕する覚悟までははっきりできてなかった。
あたしのは本当に偶然だったんだって。
玉砕しても全然おかしくはなかった……。
あやの話を聞いていたはずなのに、いつの間にか自分のに置き換えているあたしがいた。
「新人の私の教育係の人でね。いつも気にかけてくれて本当に優しくて。
バイト中にミスして落ち込んでたら、バイト終わってから話聞いてくれて励ましてくれて。
“大丈夫、俺だって最初の頃はいつもそんなんだったから。山本さんももうちょっとすればできるようになる”って言ってくれた。
いつの間にか、バイトに行くのが毎日楽しみになってたんだ」