「振られちゃったって……もしかして前に言ってたバイト先の人?」
言いづらかったけど、ここまで来たらもう言うしかないと思っておそるおそる聞いてみる。
あやはまた泣きそうな顔をしていた。
「……うん。今日、バイト先にねその人の彼女さんが来ててそれで知ったんだ。
とっても綺麗な人で、自分じゃ到底太刀打ちできそうにもない人で。
だから私の恋は告白することもないまま終わっちゃった……私、本当にバカみたい」
あやの涙はテーブルの上にぽたぽたと落ちていた。
あたしもこんな辛そうなあやを見てすごく悲しくなる。
「あやはバカじゃないよ。本当に心からその人のことが好きだったんだね」
恋って誰でも叶うものではないんだと改めて感じた。