「あーちゃん!ベッドに入って!」

少年は小声で叫ぶ。
少女はすかさず言われたとおりにベッドに潜り込んだ。
中は少年が寝てたというのに冷たかった。

「明日香ちゃん。いるんでしょう?
出てきなさいっ。」

声の主は若い看護師。

「しーっ!だよ。」

少年は少女の耳元で囁く。
少女の耳と頬は紅くなる。
寒さのせいではないようだ。

「聖くんは寝てるし...どこ行ったのかしら?」

そんな独り言を捨て、足早に去って行った。

「ふぅ〜危ない、危ない。」

少年は呟いた。