少女は奥に横たわる少年の元に走り寄った。

「あ、あーちゃん!」

少女の声に顔を向け目尻を下げる少年。
優しく少女を呼ぶ。
少女と歳は同じ。

「ひーくん、誕生日おめでとう!」

少女は微笑みながら言葉を紡ぐ。

「あーちゃん、誕生日おめでとう。」

少年も少女に負けないくらいの微笑みで言葉を返す。

今日は2人の誕生日だ。

雪は降り続けていた。

ガラガラ

人が入ってきた。

2人は顔を見合わせる。