「先生っ
先生っよ、んでっ
はやっく」
少女は涙を貯めた目で呼び出しブザーを探す。
「どこっ?どこっ?
ひーくん、どこっ?!」
そんなのは構わずブザーを探す。
「...あった!」
少女が見つけた時にはもう、少年は動かなくなっていた。
ナースステーションにブザーの音が鳴り響く。
「ひーくん!ひーくん!」
少年は遠ざかる意識の中で少女の声を必死に聞いていた。
窓の外の空は少女と同じ表情をしていた。
いつの間にか雪から雨へと変わっていた。
机に残された
大きすぎる箱
は残されたまま。
どことなくさみしく見えてしまった。