「行ってきまーす」

「行ってらっしゃーい♪」

普段、お母さんが私をで送るのは珍しい。

っていうか、イケメン(友禅君)をで送ってるのかも。


「好香ちゃんのお母さんっていつもあんななの?」

「いやそういうわけじゃ……」

友禅君がいるからだよ、なんてとてもじゃないけど言えない……。



「あ、おはよ。慎也」

ドキッ!

し、慎也……

って、橋田君だよね……。


「友姫もひさしぶり。元気してた?」

ズキッ…

ゆ、友姫さんも……いるの?

確かめたくても顔を上げる勇気が出ない。

「いくまこそ、相変わらずね(笑)」

「なんだよそれー(笑)」

友姫さんと友禅君の声がその場に響く。


「ていうか、友姫。呑気にしてて良いのか?学校遅刻しちまうだろ?」

ドキッ…

大好きな人の声。

でもそれは私に向けられたものじゃなくて……
友姫さん。

普通に話してるってことは仲直りしたんだね。


もう……私が入る隙はないってこと?