「好香。もうご飯出来てるからさっさと着替えなさい」

「あ、うん」

お兄ちゃんと喋った後のお母さんは凄く機嫌が良い。

さっきの機嫌の悪さはどこへやら。



「いただきまーす」

家族3人で夕御飯。

お父さんは北海道に単身赴任してるから今は家にいない。


「母さん、明日は部活で遅くなるから飯、先に食っててくれ」

「分かったわ」

凄くニコニコしてる(笑)

あんな笑顔、私に向けられたことないから、なんか……
寂しいな。


「?どうした?好香」

「へ?ううん、何もないよ」


お兄ちゃんは私に優しい。

というか、誰にでも優しい。

だから……モテるのかな?


「そうか。ご飯は、ちゃんと食べろよ」

「うん」

そう言ってお兄ちゃんは私の頭を撫でてくれた。

「好香、早く食べなさい」

「あ、はい」



お兄ちゃんはやっぱり気づいてないのかな。
お母さんがお兄ちゃんを大好きだってこと。