好香saidー

あーぁ……。

せっかく夢達が応援してくれたのになぁ。


ていうか、やっぱり最初っから期待しちゃダメだったんだね。

私みたいな人が橋田君と釣り合うわけないんだ。



私は道を歩いていたけど、途中で苦しくなって泣き崩れた。




やがて、最初は涙だと思ったけど雨が降ってきたみたい。

だけど、涙は止まることを知らず、雨と共に私の頬を伝う。



「風邪ひくよ?」

その瞬間、私の頬を伝っていたうちの1つの、水が止まった。


「ふ……ぇ……?」

涙を流しながら、顔を見上げた。
そこには

「あ……」

合コンの時にいた……ゆ、ゆう……


「覚えてる?俺、友禅いくま」

そうそう!
友禅君!
珍しい名字だと思ったんだよね。


「何で泣いてるの?もしかして慎也?」

ドキッ

「な、何で……」

何で分かるの?


「合コンの時、君ずっと慎也のこと見てた。慎也のこと、好きなんでしょ」

ドキッ

図星だから顔が赤くなる。

恥ずかしい……。


「立って。家まで送る」

友禅君が私の腕を掴んで立ち上がらそうとする。


「へ!?い、良いです!」


送ってもらうなんてそんな優しいこと……もうされたくない。


「大丈夫。俺を信じて?」

ドキッ…

な、何?


なんか……さっきと違って……カッコイイ。