「…理央だけど…?」理央だぁぁぁー。

「あのね、ごめんね、今平気?今日、遊園地なのは知ってたけど、だけど雨、ふってるし、いいかな?とか思って。」

全然ヘイキじゃない。
平気?とか聞いといて、平気じゃないこっちの返事無視して、しゃべってくるのはいかにも、理央らしい…。今は話したくない。
でも、今一番話したいのは理央かもしれない…。

「フラれちゃったみたい…。」
わたし、かなり勇気のいる言葉だった…。
(認めれるんだ。)自分に言われてるきがした。
(認めたんだ。)わたし、自分に言ってた。

「えーッ!うそ!!」ほんとだよ。
「ありえない、あり得ないんだけど~」
理央らしい、反応だった。当たり前すぎて、期待してたかのような答えで、少し笑えた。
笑ったらナミダがポロポロ止まらなくなった。

スマホの向こうで、まだなにかしゃべってる。もうわたし、聞いてなかった。だって。

「だって、わたし。」
わたし、フラれちゃった。認めること、出来たみたい。彼氏、いなくなっちゃった。

バイバイするときだけ、わたしの手をぎゅっとしてくれたんだったね。
終わりだったんだね。ゴメン。って言ってくれたんだね。キミ。
わたし、気がつけなかった。

嫌いになりたい。嫌いになりたいよ。
キミを大嫌いになって、あんなヤツ。
もっと好きな人ができて、忘れたい。
今はチクチク痛いこの気持ちが、なくなる日が来るのかな。

下を向いたら通話が切れてる。
理央のヤツ、勝手に通話、切ったな。
その画面にポツンポツンと、涙が落ちた。

もう泣きたくないな。
だけど、今日だけ。
帰るまでは、泣いて帰ろう。
そしたら、理央に電話しよう。
もう
泣かない。

びしょ濡れの、この服を脱いだら。

バイバイ 君。
思わず、スカートの裾をギュッとした。