「えっと、私に何か用?」

私が声をかけると

「あ、ちょっと待って」

ポケットの中をゴソゴソと漁る彼女。

「あなたのだよね?」

「そう...だと思う」


「そっか、よかった。昇降口に落ちて
のを拾ったんだ」

「そうなんだ。届けてくれてありがとう」

「いいよ、このくらい」


なんていうか、大らかな子だと思った。

これで話は終わりだと思っていたら、
彼女は、一つ間をおき私を見つめ口を開いた。



「えっと....美優花ちゃんだよね?」

「えっ?....うん、そうだけど....」