「じゃ、行ってくるな」
朝の1コマ。
マイダーリンにして、鬼上司・一色禅は、玄関先で私とみなみに声をかける。
私の腕の中でうとうとしているみなみを見下ろす目は、とろけそうに優しい。
会社の人間が見たら、「すわ発狂か」と思うほど、相好を崩している。
「行ってらっしゃい」
私は彼の頬にキスをしたい衝動をぐっとこらえて、その背がドアの向こうに消えるのを見送った。
行ってらっしゃいのキスは、また今度ね。
「ほら、ここを片付けたら、私たちも行くわよ。みなみちゃんの準備をしちゃいなさい」
おでかけ準備を整えて、リビングで張り切った声を出すのは私の母だ。
母は産後すぐから手伝いに来てくれている。
助かるけど、私とゼンさんの行ってらっしゃいのチューは1ヶ月お預け状態。
「外、暑そうだねぇ」
「8月も末だから、暑いのもあとちょっとよ」
朝の1コマ。
マイダーリンにして、鬼上司・一色禅は、玄関先で私とみなみに声をかける。
私の腕の中でうとうとしているみなみを見下ろす目は、とろけそうに優しい。
会社の人間が見たら、「すわ発狂か」と思うほど、相好を崩している。
「行ってらっしゃい」
私は彼の頬にキスをしたい衝動をぐっとこらえて、その背がドアの向こうに消えるのを見送った。
行ってらっしゃいのキスは、また今度ね。
「ほら、ここを片付けたら、私たちも行くわよ。みなみちゃんの準備をしちゃいなさい」
おでかけ準備を整えて、リビングで張り切った声を出すのは私の母だ。
母は産後すぐから手伝いに来てくれている。
助かるけど、私とゼンさんの行ってらっしゃいのチューは1ヶ月お預け状態。
「外、暑そうだねぇ」
「8月も末だから、暑いのもあとちょっとよ」