お義母さんのいる施設に到着すると、ゼンさんはひとり、隣接した病院に向かった。お義母さんの話を主治医としてくるそうだ。
私もついて行きたかったけれど、みなみが騒いでも仕方ないので断念。病院に未満児のみなみを連れていくことにも抵抗がある。社長と三人、施設の屋内で待つことにした。
「こっちにみなたんが遊べそうなスペースがあるから行こう」
社長が先導して歩く。廊下の突き当たりには歓談スペースがあり、四畳ほど畳敷きの空間があった。TVに雑誌、ソファなんかも近くにある。
ちょうど、施設の利用者は誰もいない。
春らしい陽気の昼下がり、デイサービス利用者や入所者は、日当たりのいい中庭や食堂兼広間にいるようだ。
私はみなみを畳に降ろす。
みなみは少し達者になったズリバイで狭いスペースを探検し始めた。
最近は家中どこにでも、私の後をついてくるみなみ。後追いというらしい。