出産前にママの先輩にして上司の和泉さんに保育園の話はちらっと聞いていた。
いわゆる認可園の申し込みは年末に行われる。私の住む区は2月に結果が出る。

現在2月末……完全に出遅れてしまった。


勿論、この保活にあたり、駄目モトで区役所には問い合わせてみた。


「一次も二次も、随分前に終わってますよ」


窓口で向かい合った区役所の若い男性担当者は、冷たく言った。

冷たくというより『こいつ、今更何言っちゃってんの?』という態度に見えたのは、私のひがみ根性のせいだけじゃない。

うう、募集締め切りなのはわかってるよ。
でも、こっちだって急な要請なんだから、しょうがないじゃん!


「待機児童の申し込みはできますので、こちらに指示された書類を揃えて、またお越しください」


封筒に入れて渡された資料を受け取り、男性職員のぞんざいな態度にキレないように、精一杯にこっと笑う私。