夜、ゼンさんが帰ってきてから、早速本件を問いただす私。
みなみが寝てしまった僅かな自由時間。
夫婦の話し合いにはちょうどいい。

はあ、昨日はラブラブタイムに使ったのになぁ。


「俺はおまえの復帰は了承してない。不動産からは人を割けないから、マスコミはデザイナーが見つかるまで全部外注に回せって言った」


ゼンさんは不満そうにネクタイを緩める。


「コストがかかり過ぎるってことなんだろ?だから社員で賄いたいんだよ」


「ゼンさんはどう思う?」


職場が変わることも引っかかるけれど、それより不安なのはみなみのこと。
てっきり、みなみが一歳まで一緒にいられると思っていた。

4月から保育園に預けるとしたらみなみはようやく8ヶ月だ。大丈夫だろうか。離乳食はまだ中期だし、母乳はどうしたらいいのだろう。


「夫としては、おまえの希望に添いたい。みなみと急に離れるのは不安だろうし、夜泣きや寝不足に耐えながら仕事に復帰させるのに抵抗もある」