しかしだ。
こんな日に限って邪魔は入る。

みなみの離乳食が半分も進んでいないうちに私のスマホが振動を始めた。
表示は『一色禅』。

あら、ダーリン!
早速、寂しくなって電話!?

……いやいや、そんなことあるかい。就業中にゼンさんから電話ってことは、大事な用事のはず。


「もしもし?」


「佐波、悪いが今、少しいいか?」


「私はいいけど……」


みなみは待ってくれなさそう。今も口をもっちゃもっちゃと動かしながら、次の一匙をじっと見つめている。


「総務の吉田がおまえに話があるそうだ」


「総務の吉田さん?吉田課長が?」


私はゼンさんと同い年の温和そうなお兄さん社員のことを思い出す。吉田課長が私に用事?