しかし、いざ診察室に呼ばれるとみなみの顔つきが変わった。
腰が座ってきたみなみは、最近は抱っこ紐でなくても、縦抱っこが多い。
診察室に入る時も、彼女のお尻と背中を支え、そろってお医者さんにお辞儀したんだけど、私の肩にくっついたみなみの手に、ぎゅうっと力が入った。

おや?

みなみの顔を見ると、あきらかに表情が強張っている。


「やああああ!なああああ!」


みなみは恐れおののくような悲鳴をあげ、私にしがみついた。

え?
どした?

もしかして、目の前にいる白髪で眼鏡のおじさん先生が怖いの?


「人見知りは始まっているようですね」


おじさん先生はにこりともせず、無愛想に言った。

人見知り?
お医者さんだから、ビビってるだけじゃなくて?

あ、そういえばこの前……。