みなみは下唇に何か当てられた反射で、上唇を持ち上げた。
その隙にスプーンを口の中へ。

ぱくっと口が閉まる。

みなみは変な顔をした。
そりゃ、そうだ。

おっぱいとミルクしか口にしてこなかったみなみ。
初めてのお米の味だもん。


「どう?みなみ」


私とゼンさんが固唾を飲んで見守る中、みなみは変な顔のまま、唇をんむんむ動かした。

どうやら味わっている様子。


「おお~」


思わず、私たち夫婦は拍手でみなみの頑張りを称えた。


「エライな、みなみ。ちゃんと食べられたじゃないか」


「ね。初日としては上出来」


みなみの初ごはんのために、ちょっとお高いお米を買っておかゆ作った甲斐があるよ。