私は眠るみなみの顔を見下ろす。

最近二重になったばかりのみなみ。
ふくふくのほっぺたに突き出た唇。

大好きなみなみ。

こんなに愛してるのに、どうしてあんな意地悪な気持ちになるんだろう。


「俺は父親だから。責任は半分受け持つ。物理的におまえの方がみなみと関わる時間が多い。だから、気持ち的な部分は分担させてくれ」


「ゼンさん……」


「ツライなら、ツライって言え。部下だったおまえは結構文句言ってたぞ。あの時を思い出せ」


母親なんだから、こんなこと考えちゃダメだと思っていた。愚痴は言っちゃダメだと思っていた。
どこかで責任に凝り固まっていた。

私にはゼンさんがいるのに。

大事な人に頼ることを忘れてた。


「おまえは、何にも悪くない。きっと、普通の母親だ」


ゼンさんの言葉に私はまた泣いた。