深夜二時。
私はみなみをベッドにどさりと降ろした。

みなみは手足をぶんぶん振り回し、地獄の窯のように真っ赤な口をあけ、泣き叫び続けている。


「みなみなんか、もういらない」


気付いたら口走っていた。
ベッドに座っていたゼンさんが私を見上げる。

何を言ってしまったんだろう。

よく、わからない。

でも、私の心は同じ事を反復している。


みなみなんていらない。

泣いてばかりで可愛くない。

全然思うとおりにならない。


「黙ってよッ!!もうッ!!」


私は怒鳴って、みなみの口を塞いだ。


「佐波!!」


ゼンさんが慌てて、私の両肩をつかむ。

私の手はすぐにみなみの口から離れた。