夜9時、少し早めに帰宅したゼンさんに相談してみる。


「母乳が足りないと……母乳パックももうないんだな」


私は頷く。
午後の授乳で残りの母乳パックも使い切ってしまった。


「まったく出なくなったわけじゃないんだな」


「うん……、でももしかしたら、ちょっと前から少なかったのかも、私の母乳。だから、みなみがあまり寝ないし、授乳も頻回なんだよ」


私は自嘲的に言う。
みなみを愛せないばかりか、母乳すら出てこない。
みなみの母としても、食料としても失格。

もしかして、私の母性が薄いから、母乳も枯れちゃったのかな……。


なんだか、涙が出てきた。


ゼンさんがネクタイを緩めながら、私の頭を撫でてくれた。


「今は、今夜のことを考えよう。俺も付き合うから、母乳がダメなら、みなみにはミルクを飲んでもらおう」


私は頷いたけれど、涙はポロポロこぼれ続けた。