近所の神社はみなみのお宮参りに使った場所で、今日は散歩がてら全員で歩いて行った。

みなみはクマの着ぐるみ型の防寒着を着て、ゼンさんの抱っこひもの中。
みんなでぞろぞろと歩く。

大人の多い集団の中に赤ん坊がいると、一気に温かみのある光景に見える。
でも、なんだか人事みたいな私。

神社は小さいながらも、近所の人たちで賑わっていた。お参りも列に並んで待たなければならない。
都内の初詣なんか、どこもこんなものだろう。

順番がきて、何をお参りしたものか悩む。
みなみの健康、ゼンさんの健康。

えっと、あと……、

ダメだ。


私の頭の中には嫌な考え渦巻いている。


『神様にお願いしたって、みなみがよく寝るいい子になるわけじゃあるまいし』



結局、きちんと気持ちも込められず、お参りは終了した。

帰ってくると酒盛りを始める男3人。

みなみは母の腕の中だ。