「そんな甘いセリフ、言う人でしたっけ?一色部長」


「まあな。好きな女の前では人並みに」


……そんなこと言われたら、もう全部明け渡したくなっちゃいます。


「ゼンさん……好き」


私が腕を伸ばし、ゼンさんの頭を引き寄せようとした時だ。



「んぎゃああああ!」


寝室から聞こえるこの声。

本日はみなみ起きちゃうdayらしい。


「ホント、みなみは空気を読んでるな」


ゼンさんが残念そうな、呆れたような声で言った。

私はゼンさんから離れ立ち上がると、寝室からみなみを連れてくる。

現金なみなみは抱っこされ、パパの顔を見たら黙った。
残念感は否めないけど、ま、親子三人もいいよね。