「確かに休まなきゃとは……思ってるんだけど……」


ゼンさんは自分で夕食の食器を下げ、洗い出した。
ホント、うちの旦那さんえらいわ。


「ゼンさんと二人で話せる時間も貴重だし」


洗い物をささっと終わらせ、ゼンさんがダイニングテーブルに戻ってくる。
そして、椅子に座る私の背後に立った。


「なに?ゼンさん」


私が斜め後ろに顔を上げると、ゼンさんが私の唇にキスをした。

ちょこんと触れるだけのキスだ。


「なっ……何事?」


驚いて見つめたイケメン旦那サマは、少し微笑んで答えた。


「デザート。食後の。ご馳走様」


私は途端に真っ赤になった。

旦那さん相手に何だという話だけど、まだ恋愛自体が始まって間もない私たち。
ゼンさんの何気ない行動言動が無性に照れる。

デザートとな!
ご馳走様とな!

狙って言ってます?旦那さん!