みなみは珍しく
「ふぇっふぇっ」
とベソをかきだした。

いつもは間を置かず「ぎゃあああ!」なのに。

体重のあとは頭囲や腹囲を計り、身長測定。

みなみは私の手に戻ってくることなく、次々にこれらの種目をこなす。
大泣きする赤ちゃんが続出する中、みなみはずっと目に涙をためて、小さなべそをかき続けていた。

測定が終わり、私の腕の中にみなみが戻ってきた。
私は縦抱っこで、背中をよしよしとさする。


「みなみ、お疲れ様」


みなみは私の匂いに安心したのか、あごを肩にのせて、ふーっとため息をついていた。

こんな小さいうちからわかるんだ。

ママは安心って。

常日頃、みなみの泣きわめく姿にやられている私には新鮮だった。
幼い愛情を確かに感じる。

みなみには私が必要。


頑張らなきゃ。
私がみなみを守って育てるんだから。