【湊斗side】 医者に呼ばれ、 俺たちが向かう先は診察室。 「葉月さんの件ですが…、 彼女は全ての記憶を忘れたわけではないようです。 一部一部を忘れています」 「…一部だけ、ですか?」 「はい、 いくつか質問したところ… 家庭、人間関係… そして、 暴走族のことも忘れているようです」 この瞬間、思ったことは 『焦り』、 だった。