気が付けば、目で追っていた。


特進科の彼にとって、ノベル科の私なんて、視界に入れないなんてこと、はなっから分かっていた。でも、あきらめられない。

そんな私の名前は、天宮月雨、高校二年生です。ノベル科に所属、読むのも、書くのも大好きなほどの、小説大好きな女の子です。

「さ、38度5分…?」


保健室の体温計で測っても、見間違いはない。

どうやら、学校で、風邪をひいてしまったようです…。

友達に運んでもらったのはいいけど、先生はいないし…

「どうしよう…」

がたっ__

え…?何の音?

ベッドの真っ白なカーテンの向こうで、何かの音がした。

「だ、誰かいるの…?」

そっと、カーテンを、開けて、ちょっとの隙間から除く。

「あ、れ、真っ暗?」

隙間から見ても、真っ暗___いや、違う、これは、もしかして…

シャッ___

「誰?」

「きゃっ‼」

突如、カーテンがあいて、握っていた私は、バランスを崩し、ベッドから落ちてしまった。

「っ___」

足を抑えて上を見上げると、そこには、

「何してんの?」

「え…?」

私のずっと好きな人、波多野君が立っていた。

「あ、え…」

私が、あたふたしてると、

「ほら…」

「え…?」

手を、差し伸べてきた。

「そこに座られたままでも困る。立って。」

そういって、私の方にグイッと手を差し伸べる。

「あ、はい。」

私は、そういって、手を握る。

あ、す、好きな人の、てててて、手を!?

でも、その瞬間、

ぐきっ…

「へ…?」

イった…あからさまに足が変な方向に、まがった。

「うわっ」

そのまま、波多野君の、手を持ったまま、一緒にベッドに倒れこむ。

「あ……」

「………」

私は、波多野君に押し倒される体制になった。