また明日。

必ずその「明日」が来るなんて、保証はどこにもないと今の私は知っている。

私の気が乗らないかもしれない。

彼が明日はここで歌わないかもしれない。

明日がおもいっきりどしゃ降りでストリートライブなんてできる状況じゃないかもしれない。

明日、どちらかが事故に遭うかもしれない。

そんなことを考えて、急に吐き気に襲われる。

「あぁ、もうヤだなぁ」

そして私はまた自分を少し嫌いになる。

また明日。

私はそのセリフが嫌い。
そしてのんきにそう言える奴も嫌い。

嫌い、きらい、キライ。

みんな、みんな、大っ嫌い!!

そんな最低で、どん底の気持ちの中で。
それでも私の耳の奥に「また明日」って言葉がこびり付いて離れない。
分かっている。

本当は〝明日〟が信じられる彼が、私は羨ましかっただけなんだって。