「そっかぁ、名残惜しいけど、あまり待たせてもうるさいしなぁ」

湊の呆れる顔を思い浮かべる。
自然と笑みがこぼれる自分に気付く。

「私との別れも、もう少し惜しんでくれてもいいと思うんだけど?」

からかうような蛍の言葉に、私は眉をひそめる。

「蛍とはこれからも長いお付き合いになるのに?」

「ふふ、そうだね。大学でもよろしくね?」

そう言って蛍は笑う。
湊のスパルタな家庭教師のおかげで大学進学が無事決まり、学部は違うけれど、また蛍と共に過ごすことができることになった。

4月からの生活が、今から少し待ち遠しい。