動物園到着。


独特の匂いとともに、ドキドキもしたりしていた。


少し、願ったりしていた。


“先輩と回りたい”とか…。


二人きりとかじゃなくて!少人数でその中に私と怜先輩も…みたいな。


「じゃあ少人数になって別れようか!じゃあ怜はこっちねー」


と怜先輩をチョイチョイと呼ぶ先生。


「朱莉は副部長と、香織も―――――」


あっという間にグループが決まって別れる。


「お腹空いたねー。さきお弁当食べようか!」


と、副部長の花(はな)先輩。


「はい…」


大好きなお弁当なのに…


あまり嬉しく思えないのは怜先輩と同じグループじゃないせい?


恋って全然楽しくない…。


「亜華里ちゃん?」


「はっ、はい!?」


こ、声が裏返った…!


恥ずかしいー!


「亜華里ちゃんってさぁ、怜君のこと好きでしょ?」


「ええ!?」


どうしてそれを…


し、知って…!!


「顔に出てるもん。ていうか目で追いすぎ(笑)」


「…はあー…」


そんなに目で追っているのかなぁなんて考える私。


…自信ないな。


「大丈夫!あんな奴好きになるの亜華里ちゃんくらいだから!
もうメアド聞いちゃえ!」


「あんな奴って…」


失礼なんじゃ…?


なんて考えながらご飯を食べて、


黒ヤギを描きに行った。


…時、


「…っ!!」


汗だくで、怜先輩が走ってきた。