朝霧が舞い、花壇の花びらに産まれた、この世界の憂い、儚さ、希望、喜びが内包された滴達が、雲の切れ間から淡い光を覗かせる太陽の意思を虹色に反射し、滑らかな花びらの肌を滑り、一瞬、宙を我が物とした己に酔いしれる彼らは煌めきを増して、宝石の輝きを放つ――。




やがて地表に生きた痕跡を残し、切なくも、彩りに満ちた生涯を終えた彼らの証を、意思を明確に示し始めた太陽が、新たなる1日という閃光で、全てを更新してゆく――。







「シャラーーン――」


撥水プラチナコーティングされた長い黒髪を、これ見よがしに掻き上げ、夢子が登校する――。


栗毛色、金髪、銀髪、赤毛――男の妄想欲望の際限のなさは、銀河の果てまでも超越する――。




がしかし、巡り巡って黒髪に原点回帰する事を、夢子は知っている――。




可愛いと、清楚さが艶かしく絡み合うミラクルシャイニーフェイス――。


たわわに実る「適切」な膨らみと柔らかさを備えた、甘酸っぱい果実――。


思わず手を添え、護りたくなる衝動に駆られる、くびれた腰に、そこから黄金計算率で理想的に広がるヒップライン――。