「気持ち、伝えてくれて嬉しいっ――」


カズヤ君のハートに人差し指を突き立て、きゅるりんきゅるりんと掻き回す夢子――。


んー、マンダム――あっ、違う違うっ――。


完璧だ――。




「じ、じゃあ――」


カズヤ君の妄想彼氏成立パラメーターが、上限値を突き破る――。



「あのねぇ夢子、カズヤ君の事は大好きだよっ――でもね――」


ここで、ただ掻き回していた指の動作を、ゆっくりとハートを描く様に擽る動きに移行させる、夢子のソフトブロークンハートシークエンスが炸裂する――。



「夢子ね、まだ誰のものにもなりたくないなぁ――」


ピタッと、ソフトブロークンハートシークエンスを止め、夢子は妖しくカズヤ君に凭れる――。



密着する二人の躰――。



夢子の鼓動、二つのマシュマロの感触、風にそよぎ、絡みつく長い髪、火照る息遣い――。


秘技――セクシーブロークンハートスマッシュが決まった瞬間――。


こうなってしまっては、カズヤ君は受け入れるしかない――。


己の恋の敗北を――。



「怒った――」


夢子は意地らしく呟く――。