あんたのこと、好きだよ。
うん、好きなんだよね。
なんでなんだろうね、
もっとあんたより、意地悪じゃない奴いるよ。
もっとあんたより、不器用じゃない奴いるよ。
もっとあんたより、素直な奴いるよ。
でも、なんでなんだろう。
『あんた』がいいんだよね。
『あんた』じゃないとダメなんだよね。
どんなに良い人が居たって、
あたしは『あんた』と比べてしまうんだ。
あんたは、もっと意地悪だったなー。
あんたは、もっと不器用だったなー。
あんたは、もっと素直じゃなかったなー。
そうやって、考えては落ち込んで。
傷ついて、泣きそうになって。
でも、あたしは…………。
『あんた』以外の前で泣かないって約束、
まだ覚えてるんだよ。