始まりは……いつ頃だったんだろう。


気付いた頃にはもうこの仕事をすることが普通で、当たり前になってた。




「ッ……ぐ、ぁ!!」


「…………」




あたしは今日も一人…人を殺した。


これがあたしの仕事。
先生達にとっての邪魔者を殺すのが仕事。




任務を終えたらすぐに帰って終了。


そんな普段とは今日は少し違っていた。




「これは随分と派手にやったんやな」


「ッ!!」




背後の屋根の上から降ってきた声に慌てて振り返る。




「これ、姉ちゃんがやったんやろ?
歩いている標的に気配を悟られずに背後から心臓を一突き」


「……何が言いたい」


「姉ちゃん誰に言われて殺ったん?

こないに綺麗な手口で人を殺すんは絶対に物取り目的の浪人や無い。
倒幕派の奴等ならもっと自身を表す物を置いていく筈や。

これを考えると姉ちゃんは怪しいんや。
何処にも属してない、そんな怪しい奴は屯所に連れて行かなあかん」