言った直後、康太の顔を見るのが怖くて、思わず俯いた。

 少しの沈黙の後、康太が言った。


 「…分かった。でも俺らだけで決められる問題でもない。俺も親にちゃんと言わなきゃいけないんだ。亜美も、ちゃんと両親に言った?」

 「お父さんには、まだ…」

 「なら、早く言った方がいい。だから今日は帰ろう。今日はもう遅いし、明日また話そう」

 「うん、そうだね…。ありがとう」


 康太がベンチを立つ。

 「あの、さ。本当にごめんな」