その結果がこれだ。
勇気が裏目にでてしまった。
南条はいつも真面目だから、申し訳ないな。

そう思って、謝ったら意外と気にしてなさそうだった。
同じクラスになって、分かったことなのだが、南条はちょっと男っぽいところがある。口調や、性格などさっぱりしてるような気がする。

「ねぇ、南条?好きな曲ある?」
「え!?好きな曲?ボカロとか、あとは恋愛系の歌?」
「恋愛系?南条、そんなの好きなのか?」
「うん!共感できるの超好き!」
「へー。」
南条がボカロが好きなのは、なんとなく知っていたが、恋愛系が好きだとは。意外だな。
てか、恋愛系で共感って、南条好きな奴いるのかな?

「森は?なんかないの?」
「俺は~、特に好きっていうのはないけど、ドラマとかのなら、聞いたりする。」
「あ~、男子ってそんなもんだよね。」
「そんなもんってなんだよ。」
「やっぱり、好きな曲とかないんだよね。」
「どうかした?」
南条の様子は、明らかにおかしかった。無理矢理笑ってるみたいな、思い出したくないことを思い出したみたいな、そんな感じだ。