【光輝side】

気がつくと走り出していた。

怒られると思ったからだろうか。いや、逃げ出したらもっと怒られることは分かっていたはずだ。

ただこの胸のモヤモヤをすっきりさせたかったのもあるだろう。

「っはぁ、はぁ、はぁ、、、。」
「きつっ!!!」

俺は、南条の手を握ったまま、屋上まで来ていた。

頭の中がグルグル回っていて、南条の手をつかんだ後のことははっきりと覚えてない。
おもいっきり走ったせいで、息が苦しい。

俺は、屋上のドアに寄りかかって座った。
その隣に南条も座る。
南条は、まだ息がきれていた。