「うるさいって!ちょっとぐらい黙ってよ!」
教室に響き渡る私の声。私の隣には、固まった表情の翔君。

確か、あの時男子の間では、アニメのキャラの真似が流行っていた。
授業中も真似するから、かなりうるさかった。
翔君も皆にのって真似していた。

その頃は、私も純粋に真面目だったから、一生懸命授業を受けようと考えていた。
つまり、うるさい男子は邪魔だったのだ。ちょっと、話すぐらいは良かったけど。て、いうか翔君が気になっていたので、話しかけて欲しかったぐらいだ。
でも、私は思っていることと、正反対のことを言ってしまった。

翔君は、泣きそうな顔をして落ち込んでいた。