そんなことを考えながら、俺は順番がくるのを待っていたら、南条が走ってるのが、見えた。
ふつーに速くね?速いというほどでもないけど、遅いっていうほど遅くもない。
あ~、南条ってバスケ部だっけ?

「あっ、やべぇ。忘れてた!」
いつの間にか、南条はすぐそこに来ていた。俺は、いつものように、手を伸ばして、バトンが渡されるのを待った。

あれ?おかしい?
なかなかバトンが渡されないので、後ろを見た。すると、おもいっきりこけている南条がいた。
そこでこけるか、普通?
南条は、バトンをしっかり俺に向けたまま転んでいたので、俺は南条の手からバトンを取ると、走り出した。