可奈
「エヘヘ・・・エへ。あのね。可奈が話したあの話には、まだ続きがあるの・・・。」


「え・・・?」

私は目を疑いました。

目の前にいた可奈の姿が、徐々に、徐々に変わって言ったのです。

私と同じぐらいの身長で、どちらかと言えば小柄だったはずの可奈の背は伸び、部活終わりでジャージを着ていたはずの服装が、真っ赤なワンピースに変わっていきました。

そして、彼女は、いつの間にか、左手には真っ青なりんごを、右手には真っ黒なはさみを持っていたのでした。

もうその女性は、可奈ではありませんでした・・・。

私は、彼女を見ながら、ゆっくり後退りします。

しかし、真っ赤なワンピースを来た女性は、不気味に笑いながら、私の方に歩いてきます。

「ねぇ。私、可奈じゃないでしょ?」


「来ないで。私に近づかないで。」

「ねぇ・・・。話の続き、知りたくない?」


「いやぁ〜。来ないで。」

「あのね・・・あんまり長く夢の中にいるとね。夢の中にいる住人に殺されちゃうんだよ。こんな風に・・・。」

真っ赤なワンピースを着た女性は、そう言うと、私の目の前で、真っ青なりんごに真っ黒なはさみを突き刺しました。


「いや・・・。もう、いや・・・。」

私は、腰が抜けてしまい、その場にしゃがみこんでしまいました。

真っ赤なワンピースを着た女性は、そんな私に、どんどん近づいてきます。