可奈
「それが・・・ね。」


「うん。」

可奈
「私・・・その言葉知らないんだ・・・。」

可奈は、申し訳なさそうに、私にそう言いました。


「え・・・?本当に?」

可奈
「うん・・・ごめん。みんなその言葉まで知らなかったんだよね・・・でも大丈夫だよ。寝る時、思い出さなきゃいいんだから。ね。ね。」

可奈は、不安がる私に笑ってそう言いました。


「・・・そうだよね。そんな言葉知らなくても、思い出さなきゃいいんだもんね。」

私は、少し安心して、笑顔で可奈に言いました。

しかし、その言葉を聞くと同時に、可奈は全くの別人のような低い声で私に言いました。

可奈
「でも・・・いい?絶対寝るときにこの話思い出しちゃダメだよ。」


「え・・・?」

可奈
「寝れなくなるから・・・。」

私は、可奈のあまりの迫力に一瞬沈黙しました。


「ねぇ、そんなに脅さないでよ。」

可奈
「ごめん。ごめん。ついからかいたくなっちゃって。」

私が不安がって言うと、可奈は、すぐにさっきまでと同じテンションに戻り、そう言いました。