可奈
「名前は、『終わらない夢』って話。」


「・・・終わらない夢?」

可奈
「そう。終わらない夢・・・。」


「・・・なんか怖そう。」

私がそう言うと、可奈は、少し笑みを浮かべながら話し始めました。

可奈
「あのね、今、私のクラスで話題になってる話でね・・・ベッドに入って寝る時にしちゃいけないことがあるの。・・・」


「しちゃいけないこと・・・?」

可奈
「そう・・・。『真っ青なりんご』と『真っ赤なワンピースを着た女性』、『真っ黒で巨大なハサミ』を同時に頭に浮かべて、そのまま寝ちゃうとね、大変なことになるんだって・・・。」


「大変なこと?」

可奈
「そう・・・。さっき話した3つのものをを思い浮かべながら寝ちゃうとね、夢から抜け出せなくなっちゃうの・・・。」


「え?夢の中から?」

可奈
「うん。でね、噂だと、うちの学校にも、夢の中に閉じ込められちゃった生徒が何人かいるらしいよ。」


「嘘。じゃあ、その人たち、ずっと閉じ込められたままなの・・・?まさか、入っちゃったら、一生出れないわけじゃないよね・・・?」

可奈
「うん。大丈夫。夢の中でね、ある言葉を4回唱えると、夢の中から抜け出すことができるんだって。」


「・・・ある言葉って?


私は可奈に問いかけました。

可奈
「知りたい?」

すると、可奈は私の目を見て、そう言いました。


「一応・・・知りたいよ。だって、もし閉じ込められちゃったら、その言葉が必要なんでしょ?」

可奈
「うん・・・そう。」


「で、ある言葉って何なの?」

しかし次の瞬間、可奈は、私の問いに、うつ向いてしまいました。