電気のついていない暗い部屋に、ゆっくり踏み入る。

「おじゃましま〜す。ま、いないよね〜。」

部屋は、意外と広く、俺はどんどん中へ入っていった。

「別にイタズラするわけじゃないし。無用心だから、あいつが帰ってくるまでいてやるだけだから。って、俺は誰にいってんだろ?」

俺は、そう言いながら、一番奥の部屋に入った。

そして次の瞬間、俺は、信じられないものを目にした。

一番奥の部屋の木のフローリングの床。

そこには、留守だと思っていた彼女が仰向けで倒れていた・・・。

「おい。」

俺は、慌てて彼女に駆け寄ると、彼女の体を抱き上げた。

彼女の体は、まるで発泡スチロールを持ち上げているように感じるほど、俺には軽く感じた。

しかし、やつれているわけではない。

顔はすっきりはしているが、痩せすぎというわけじゃないし、体だってそうだ。

ダイエットの成果で痩せてはいるが、棒のような腕にはなっていない。

それなのに、彼女の体は、俺には、とても軽く感じた。

「おい。大丈夫かよ。おい。お前、また無理なダイエットしたのか?おい。」

俺は必死に彼女に呼び掛けた。

「おい。おい。どうしたんだよ。」

俺は必死に彼女に叫んだ。

「おい〜。目、開けろよ。」

その時だった。

彼女が、ゆっくり目を開いたのだ。