不思議な夢を観た。
もやがかかった真っ白な場所。
私は裸足で白いワンピースを着て、たった1人であてもなく歩いている。
「ここ…どこ?」
ぽつりと呟いても返事がないどころか、こだますら返ってこない。
とぼとぼと歩き続けてしばらく経った頃だった。
「…!」
目の前に黒い人影。
黒のパーカー付きローブを羽織っていて、顔はよく見えない。
小学4〜5年生の男の子くらいの身長で、身体を私の方に向けている。
「あなた…誰?」
恐る恐る私は口を開いたけれど、返ってきたのは、突拍子もない言葉だった。
「ボクはスピカ。
突然で悪いけど、キミ達には21日間の間、ボクの実験を手伝ってもらうよ」
何を言ってるんだこの子は。
「実験?」
「そう。どんな実験かは、目覚めてからのお楽しみ。
ああ、実験結果がもし乏しかったのなら…一生、「そのまま」で居てもらうから、頑張ってね」
にっこりと微笑みながら、妙に現実味のある口ぶりで『スピカ』は言うけれど、その微笑みはどこか冷たくて寒気がした。
「ふ…ふざけたこと言わないでよ。夢でしょ?…子どものキミに何かが出来るわけない」
後退りしながら私は言うけれど、顔の見えない『スピカ』はくすりと笑うだけだった。
この子はこの現状を楽しんでいるとさえ思う。
そう思うとなんだか腹が立って、つい言い返してしまった。
「ふざけてなんかないさ。ボクは至って真面目だし、何よりボクはキミ達より歳上なんだから。……おっと、もうすぐ夜が明ける。キミ達がどんな実験結果を出してくれるか、楽しみにしているよ」
そう言うと『スピカ』は、すーーっと足下の方から少しずつ消えていく。
「待って、行かないで!!」
存在が消えかかる『スピカ』の元へ行こうと私は駆け出すが、裸足なのでうまく走れない。
「きゃっ!」
ベチッと肌と床が叩き合うような音を出して転んだ頃には、もうその子の姿は無かった。
転んだ状態のままの私を一気に睡魔が襲い、再び眠りへと誘う。
私が最後に見たのは、さっき同じ、どこか楽しげな『スピカ』の微笑みだった…
もやがかかった真っ白な場所。
私は裸足で白いワンピースを着て、たった1人であてもなく歩いている。
「ここ…どこ?」
ぽつりと呟いても返事がないどころか、こだますら返ってこない。
とぼとぼと歩き続けてしばらく経った頃だった。
「…!」
目の前に黒い人影。
黒のパーカー付きローブを羽織っていて、顔はよく見えない。
小学4〜5年生の男の子くらいの身長で、身体を私の方に向けている。
「あなた…誰?」
恐る恐る私は口を開いたけれど、返ってきたのは、突拍子もない言葉だった。
「ボクはスピカ。
突然で悪いけど、キミ達には21日間の間、ボクの実験を手伝ってもらうよ」
何を言ってるんだこの子は。
「実験?」
「そう。どんな実験かは、目覚めてからのお楽しみ。
ああ、実験結果がもし乏しかったのなら…一生、「そのまま」で居てもらうから、頑張ってね」
にっこりと微笑みながら、妙に現実味のある口ぶりで『スピカ』は言うけれど、その微笑みはどこか冷たくて寒気がした。
「ふ…ふざけたこと言わないでよ。夢でしょ?…子どものキミに何かが出来るわけない」
後退りしながら私は言うけれど、顔の見えない『スピカ』はくすりと笑うだけだった。
この子はこの現状を楽しんでいるとさえ思う。
そう思うとなんだか腹が立って、つい言い返してしまった。
「ふざけてなんかないさ。ボクは至って真面目だし、何よりボクはキミ達より歳上なんだから。……おっと、もうすぐ夜が明ける。キミ達がどんな実験結果を出してくれるか、楽しみにしているよ」
そう言うと『スピカ』は、すーーっと足下の方から少しずつ消えていく。
「待って、行かないで!!」
存在が消えかかる『スピカ』の元へ行こうと私は駆け出すが、裸足なのでうまく走れない。
「きゃっ!」
ベチッと肌と床が叩き合うような音を出して転んだ頃には、もうその子の姿は無かった。
転んだ状態のままの私を一気に睡魔が襲い、再び眠りへと誘う。
私が最後に見たのは、さっき同じ、どこか楽しげな『スピカ』の微笑みだった…