異性からのその言葉の意味が分からない程に幼くはない。

しかし、理解はし難かった。

「…ご自分の立場を、…分かっていらっしゃるでしょう?」

そっと言うが、男はそれを一笑に付す。

「いいんだ。

そんな物よりも君と居たい」

……どうしよう……。

まさか軽々しい気持ちでハイと付いていく訳にはいかない。

しかし相手は天皇家の直孫。

下手にはねのけて機嫌を損ねてしまえば、こちらの家も只では済まない。

果たして…どうすれば…。

答えに窮し、初めてしっかりと見る夜空を見上げると。

見えたのは幾億もの光だった。