亨ちゃんの両親は、

コンビニをやっていて、

朝も昼もあってないようなので、

「うちにいると使われて気が休まらない」

なんて言って、

頻繁に我が家に顔を出して羽を伸ばしていく。

両親も、亨ちゃんのこと子供みたいに可愛がっているので、

「いっそ、家の婿に来たらいい」

なんて、お父さんのきわどい冗談も、

軽く笑い飛ばしながらも、

私1人がドキドキしてて、

このまま、なし崩しに

家に住んじゃうんじゃないかと誤解しちゃうよ。

そんな亨ちゃんが時折、

まじめな顔になって困った顔になる。

それは、たいてい

私に近くで接するときで、

何か言いそうになりながら黙りこむ。


私の気のせいならいいけれど、

なんか引っかかる。


けれど、その理由はすぐに判明する。

私は大きな間違いをしてしまったのだ。